コシヒカリときぬむすめの違いを米農家が徹底比較!

きぬむすめとコシヒカリの違いを米農家が徹底比較

日本を代表する高級米「コシヒカリ」と、今注目の銘柄米「きぬむすめ」。どちらも美味しさに定評のあるお米ですが、それぞれにどんな違いがあるかご存じでしょうか?

本記事では、今注目の品種「きぬむすめ」と、皆様におなじみの「こしひかり」を比較しながら、見た目、味、栽培の違いなど、きぬむすめの隠れた魅力をわかりやすくご紹介します!

コシヒカリの特徴

甘み・旨味・食感

コシヒカリは、強い粘りとモチモチとした触感で噛むほどに広がる甘みと旨味があるのが特徴。炊きあがりは一粒一粒が弾力を持ち食べ応えがある。

冷めたときの食味

コシヒカリは、冷めても粘りと甘みが持続するのも大きな特徴。ただし、炊き立て時に弾力がある分、冷めるとやや粒が硬くなる傾向があります。

きぬむすめの特徴

甘み・旨味・食感

きぬむすめは、炊き立てはふっくら柔らかく、適度な粘りがありながらもべたつかず、軽やかな粒感が特徴。コシヒカリの濃厚な甘さとは異なり、きぬむめは穏やかで上品な風味を持ち合わせます。また、粒がしっかりしていて噛み応えがあるため、こしひかりとの食感の違いも楽しめます。

冷めたときの食味

冷めても硬くなりにくく、甘味と柔らかさが残ることが大きな強みです。やさしい甘みと適度な粘りが冷めても損なわれないため、時間が経ってもふっくら美味しいご飯が楽しめます。

この違いから、おにぎりにするならきぬむすめ炊き立てをシンプルに味わうならコシヒカリ、といった使い分けをする方もいます。

味の濃厚さと粘りの強さではコシヒカリ、上品さと軽やかさではきぬむすめに軍配が上がります。どちらも美味しいお米ですが、

  • 「毎日食べても飽きない優しい味」を求めるならきぬむすめ
  • 「一口ごとの旨みと存在感」を求めるならコシヒカリ

といったように、好みに応じて選ぶとよいですね!

価格帯や入手しやすさ

コシヒカリは全国的な知名度と人気を誇る高級米で、価格もやや高めに設定されていることが一般的です。特に新潟・魚沼産などブランド産地のものは、プレミアム価格で販売されることも多く、高級米の代表格といえます。

一方、きぬむすめは比較的リーズナブルな価格帯で手に入ることが多く、高品質でありながらコストパフォーマンスに優れたお米として注目されています。「特A」評価を得ている産地のものでもお手頃価格で購入できるのが魅力。「毎日美味しいごはんを食べたいけれど、価格も気になる」という方にぴったりのお米です。

流通面では、コシヒカリは全国のスーパーや専門店で安定的に流通しており、購入しやすさも抜群。

きぬむすめは西日本を中心に徐々に取扱店が増えていますが、地域によってはまだ流通が限定的です。ただし、インターネット通販や産地直送で全国どこからでも購入可能なので、気軽に試すことができます。 >田中農場のきぬむすめはこちらから

栽培特性の違い(高温への強さ・収穫時期など)

お米の品種は味だけでなく栽培のしやすさや収穫時期にも違いがあります。

近年の夏は猛暑が続き、登熟期(お米が実る時期)に高温が重なると、「白未熟粒(白く濁った米粒)」が増え、米の品質が落ちるケースが増えています。

きぬむすめの対高温性

きぬむすめは、高温障害に強い品種として開発されました。
出穂(しゅっすい:穂が出る時期)が盛夏をやや過ぎた頃になるよう調整されており、真夏の厳しい高温期を避けて登熟するため、平地でも品質の高いお米を安定的に収穫できるのが特長です。

このため、猛暑の年でも米粒の見た目が美しく、等級の高いお米が採れやすいとされ、近年ますます注目を集めています。

コシヒカリの対高温性

コシヒカリは1950年代から続く伝統的な人気品種ですが、高温にやや弱いという課題があります。
特に登熟期と真夏の高温が重なる地域では、品質が低下しやすく、白未熟粒の増加などが問題視されることも。
このため、気象条件への配慮や丁寧な管理が必要な品種とされています。

倒伏への強さ  丈夫で育てやすいのは?

きぬむすめは、茎が太くて倒伏(稲が倒れること)に強いという点も、生産者にとって大きなメリット。
実際に島根県などの調査では、コシヒカリよりも一等米の割合が高く、収量も安定しているとされ、病気にも比較的強いことから、直播(じかまき)栽培などにも向いています。
そのため、「栽培のしやすさ」「収益の安定性」両面で評価されている品種です。

対して、コシヒカリは茎が細く倒れやすい傾向があり、台風や大雨の影響を受けやすいとされています。このため、倒伏を防ぐための管理や支柱の工夫など、丁寧な栽培が求められるのが現状です。

こうした栽培特性の違いから、生産者の間では「作りやすく収量が多い」きぬむすめへの注目が年々高まっています。

鳥取県でもきぬむすめの評価は高まっており、最高評価である「特A]を何度も受賞しています。

コシヒカリは依然強い人気を誇りますが、高温に弱い点を克服し、安定品質と収量を実現するきぬむすめは、日本各地の生産現場から「次世代を担う頼もしい品種」として広く期待されています。

まとめ

「コシヒカリ」は、濃厚な甘みと粘りで満足感たっぷり。贈答や特別な日のごはんにもぴったりな王道のお米。一方「きぬむすめ」は、上品であっさりとした味わいが魅力。冷めても美味しく、毎日食べても飽きないごはんを求める方にぴったりです。

さらにきぬむすめは、高温や倒伏にも強く、農家にとっても育てやすい次世代型の品種。鳥取県では「特A」の常連として、実力を発揮しています。

田中農場でも、今年からきぬむすめの栽培に力を入れています。
「きぬむすめってどこの娘さん?」なんて言われないように(笑)、これからもその魅力をしっかり伝えていきます!

まずは一度、ぜひ炊いて食べてみてください。
ふっくらやさしい甘み、きっと実感いただけるはずです!

▼ きぬむすめについて、代表・田中が語る動画も公開中

実際に食べ比べてみました!

今回、田中農場でも令和6年度産の「コシヒカリ」と「きぬむすめ」を実際に炊いて、食べ比べてみました!

◆ 見た目の違いは…?

正直なところ、見た目ではほとんど違いが分かりませんでした💦
ただし、お米を研いでいるときや手に触れたときの感触には違いが。
きぬむすめの方がさらさらとした印象で、手触りに少し軽やかさを感じました。

◆ 炊きあがりの比較

今回は1合ずつの少量炊きだったため、食感や香りの違いは微妙な差。
ですが、きぬむすめの方がふんわりと優しい口当たりで、軽やかさが印象的でした。
コシヒカリはやはり一粒一粒の存在感と粘りが強く、王道の旨さを感じさせてくれました。

とはいえ、今回の試食は在庫の関係で少量の1合を炊いての比較だったので、新米の時期に再挑戦して、もっとしっかり違いを感じてみたいと思っています!

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この記事を書いた人
ライター
田中農場日誌編集部

田中農場のスタッフにより、お米や野菜の豆知識、おすすめレシピ、日々の農場の様子などを発信しています。鳥取から全国のみなさまへ「作物本来のおいしさ」をお届けできるように頑張っています!

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