こしひかり予約完売のお礼と、新たな挑戦「きぬむすめ」への想い

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田中農場代表、田中里志のインタビュー第2弾!今回は新たな挑戦となる「きぬむすめ」について語らせていただきました。ぜひご覧ください。

動画の内容を記事にまとめました。こちらもぜひご覧ください。

こしひかり予約完売のお礼

今年5月より予約を開始しました「令和7年度産のこしひかり」ですが、おかげさまで予定数量すべてご予約いただきました。誠にありがとうございます。
出荷は今年10月から順次開始いたします。毎月その都度精米し、新鮮な状態で美味しいお米をお届けしてまいります。
改めまして、たくさんのご予約をいただき、心より感謝申し上げます。

次なる主力米「きぬむすめ」の選定理由

この度、きぬむすめをこしひかりに続く主力品種として、本格的に栽培に取り組むことになりました。

きぬむすめ選定の背景

実は5〜6年前から、猛暑の年でも品質が落ちにくいという評判を受け、少しずつ試験的に育ててきました。
実際に栽培してみると、猛暑の年でも影響を受けにくく、きれいな玄米が安定して収穫できることが確認できました。
こうした実績を踏まえ、今年から栽培面積を広げ、本格的に取り組んでいく方針です。

きぬむすめが暑さに強い理由

こしひかりは、一昨年の猛暑で、新潟や北陸を中心に品質が大きく落ちてしまいました。
その大きな理由は、こしひかりの「穂が出る時期」と「熟す時期(豊熟期)」が、7月下旬からお盆前という一年で最も暑い時期と重なるためです。
この時期は、日中は連日35度を超える猛暑日が続き、夜も気温が下がらず熱帯夜が続きます。お米にとっては非常に過酷な環境です。

一方、きぬむすめの穂が出るのは、お盆を過ぎた頃から。
そこから「熟す時期(豊熟期)」に入るため、朝晩が少しずつ涼しくなり、夜の気温も下がってくる時期に重なります。つまり、熱帯夜を避けたタイミングで実が熟すため、猛暑の年でも高温障害を受けにくく、安定した品質のきれいで美味しいお米が収穫できるのです。これが、きぬむすめの大きな特徴です。

高温障害とは?──お米の見た目と味に影響する“夏の天敵”

高温障害とは、主に米粒の見た目と味の劣化として表れます。
具体的には、玄米の粒の中に白く濁った部分ができたり、全体が白っぽくなる状態です。

通常、お米は水晶のように透明感があり美しいのが理想です。
しかし、高温障害が出たお米は、白く濁った粒が混じり、見た目の品質が落ちるだけでなく、実際に食味(味わい)も低下してしまいます。

なぜ高温障害が起こるのか?

稲は、日中に葉っぱで光合成を行い、でんぷんを作り出します。
そして夜になると、そのでんぷんを米の粒の中に蓄えていく──これが稲の成長サイクルです 。
ところが、夜の気温が高い「熱帯夜」が続くと、この夜の作業(でんぷんを詰める作業)がうまくいかなくなります。稲自身が暑さに耐えるために、自分の体を守ることにエネルギーを使ってしまうため、米粒の中に十分なでんぷんが蓄えられず、結果として未熟でスカスカな状態になってしまうのです。
「熱帯夜は、お米にとってまさに“天敵”です」

夜の“2~3度”の差が明暗を分ける

同じ地域の中でも、山間地や標高の少し高い場所では、日中の気温はそれほど変わらなくても、朝晩がほんの少し涼しくなることがあります。この2〜3度の夜の気温差が、熱帯夜に入るかどうかの境目となり、高温障害が発生するかどうかを大きく左右します。

「人間も熱帯夜が続くと体力が落ちてしまうように、稲も同じです。夜が涼しいというのは、本当に大事なんです」

高温障害に負けないための工夫とは?

田中農場では、以下のような工夫を通じて高温障害に立ち向かっています。

土づくり


・良質なたい肥を使用
・土を深く耕して、根を太く深く育てる

疎植(そしょく)栽培


・株間を広くとることで、風通しや日当たりを確保

天然ミネラル散布


・天然鉱石由来のミネラル液を薄めて夕方に葉へ散布
・稲の代謝を活性化し、病気予防・味の向上・高温耐性を高める

「ミネラルを与えると、稲の“循環”が良くなる。これが大事なんです。」

「きぬむすめ」の味の特徴とは?こしひかりとの違いは?

こしひかりと比べても、味・甘み・旨みはほとんど変わりません。違いは“食感”にあります。

・こしひかり:ふっくら、やわらか
・きぬむすめ:粒感しっかり、噛み応えあり

おにぎりや丼ものとの相性も良く、「むしろきぬむすめの方が好き」というファンも多いです。

まとめ

田中農場では、こしひかりの美味しさを守り続けると同時に、きぬむすめという新たな品種にも積極的に取り組んでいます。 猛暑や高温障害といった厳しい自然環境にも負けず、日々工夫を重ねながら、皆さまに安心で美味しいお米をお届けできるよう努力しています。

これからも田中農場のお米をどうぞよろしくお願いいたします。

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