田中農場では、稲と小麦の二毛作を行っています。昨年の秋に植えた小麦の収穫時期がやってきました。毎年梅雨入り前の6月に、小麦の刈り取りをしています。
今回は小麦の収穫時期と、農場で行っている刈り取り・乾燥作業の様子を紹介します。
麦の種まきと収穫時期

麦は秋に種まきをして、翌年の6月から8月に収穫をします。地域によって少し時期はずれますが、目安としてはつぎのとおりです。
地域 | 種まきの時期 | 収穫の時期 |
---|---|---|
北海道 | 9月 | 8月 |
東北 | 9月 | 7月 |
関東 | 10月 | 6月 |
東海・近畿 | 10月 | 6月 |
中国・四国 | 11月 | 6月 |
九州 | 11月 | 6月 |
鳥取県の場合は、11月に播種(種まき)をして翌年6月に収穫を迎えます。
収穫を終えると、麦畑から田んぼへと変わります。「夏は稲」「冬は麦」を育てていますよ。同じ田んぼで2つの作物を交互に作る「二毛作(にもうさく)」を行っています。
6月といえば梅雨入り前の時期ですが、収穫前の小麦は雨にあたると品質が落ちやすいです。また作業効率も悪くなってしまうため、天気予報を確認しながら作業を進めています。
小麦の刈り取り
小麦の収穫作業は、まずは農機具「コンバイン」の点検から始めます。コンバインは、刈り取り・脱穀・選別の機能を1台ですべて兼ね備えた機械です。

作業前は安全にコンバインを動かせるように、損傷しているところがないか点検を行っています。

エンジンオイルの確認、ベルトやチェーンのゆるみがないか、交換が必要な部品はないか、などチェックをしていますよ。異常なし!大丈夫そうですね。
稲の収穫でも麦の収穫でも、同じコンバインを使っています。収穫作業に欠かせない、大事な農機です。
田中農場で収穫をしている麦は……
- 二条大麦
- ニューサチホゴールデン
の2種類です。どちらもビールの原料として使われます。
二条大麦は「ビール大麦」とも呼ばれていて、ビールや麦焼酎などのお酒の原材料になっています。ニューサチホゴールデンは、二条大麦が改良された品種ですね。

麦の葉や茎から緑色が抜けて、完全に黄色になったら収穫時期。また二条大麦は、だいたい8割くらいの穂の先が90度に曲がってきたときが目安になります。

ちょうど収穫に適した時期を狙って、コンバインで一気に刈り取っていきます。小麦を収穫しているところを動画にしてみました。
収穫後すぐに小麦を乾燥!

つぎに、小麦をすばやく乾燥させます。収穫時の小麦の水分量は20%ほどあります。そこから数時間かけて乾燥させて11%まで落としています。

なぜすぐに乾燥させるのかというと、水分量が高いまま長時間置いておいた場合、異臭が出てきたり発芽不良などが起こるなど、品質が落ちてしまうからです。

水分量を下げることによって、麦が実際に加工されるまで貯蔵するときの安全性を高めています。わたしたちは、遠赤外線乾燥機を使っていますよ。

とれたての麦を手に取ってみました、この麦が美味しいビールになっていくのですね。
まとめ

今回は、田中農場で行っている麦の収穫と乾燥の作業を紹介しました。
収穫に適した時期は、意外と短いです。また雨が多い時期でもありますので、収穫時期を見逃さないように、麦の様子をしっかり確認しながら進めています。
麦の品質を低下させないためには、収穫後すぐに乾燥させることも大事です。
田中農場では、お米と一緒に麦作りも頑張っています。ビールの原料になるポップの栽培にも取り組んでいるので、また記事にまとめて紹介したいと考えています。ぜひお楽しみに!
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。