【ネギの歴史と種類】日本のネギの特徴や人気の地方品種を解説!

白ねぎ(長ネギ)

ネギは、昔から食べられている身近な食材です。もともとは冬が旬で、寒さとともに風味が増して美味しくなりますが、今では一年を通して手に入れることができます。

その種類はなんと500種類以上あるといわれています。この記事では、ネギの特徴や地方ごとの品種についてまとめています。ぜひ参考にご覧ください。

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古くから日本に伝わるネギの歴史

ネギは外国から伝来した数多くの野菜のなかでも、最も古いもののひとつ。原産地は中国西部、シベリア南部などの寒い地域です。

日本では「日本書記」(720年)に記載があったことから、朝鮮から奈良時代以前に伝来したとされています。栽培されていたとされるのは、平安時代。「延喜式」(967年)に栽培方法の記載があったことから、日本でも平安時代には栽培されていたと推測されています。

中国から日本に伝来した当時から、

  • 根深ネギ:根元の白い部分が長く、耐寒性に優れる(白ネギ、長ネギ)
  • 葉ネギ:緑の葉の部分を食べる、一年を通して収穫可能(青ネギ)

に分かれていたそうです。根深ネギは寒冷な東日本や耕土の深い関東に広がり、葉ネギは温暖な西日本で土着したと考えられています。

その結果、昔から白ネギは東日本での消費が多く、青ネギは関西で多く食べられていました。現在では全国で両方のネギが流通しており、また品種改良なども行われているため、ねぎの種類は500種類以上あります。

主なネギの種類と特徴

ネギは根深ネギ(白ネギ・長ネギ)、葉ネギ(青ネギ)ともに全国的に利用されるようになりました。白ネギと青ネギの中間品種や、京都の「九条ねぎ」、群馬県の「下仁田ねぎ」などの地方品種も人気があります。

代表的なネギをいくつか紹介しますので、見てみましょう。

曲がりネギ 主な産地:東北・北陸地方

東北・北陸地方で作られる葉が柔らかく甘味と香りが高い曲がりネギ

葉が柔らかく、甘みと香りが高い上に味がよい。栽培方法は、苗を斜めに寝かせて植え付けられる伝統的な栽培法で、耕土が浅く地下水位の高い地域で行われています。苗を斜めに寝かせて植え付けるので曲がったネギとなり、直立しようとして曲がって成長したネギは、特有の柔らかさと甘さ、風味が増すと言われています

平田赤ネギ 主な産地:山形県酒田市

山形県酒田市の伝統野菜で根元が鮮やかな赤色の一本ネギ平田赤ネギ 

山形県酒田市の伝統野菜で、根元が鮮やかな赤色の一本ネギ。生のままで刻めば辛みが際立ち、火を通すととろみや甘みが出ます。味の良さと見た目の美しさが認められ、価格は通常ネギのなんと2~3倍!栽培が難しく市場に出回っていなったが、近年関東に出荷されるようになりました。カロテンやビタミンが豊富!

下仁田ネギ 主な産地:群馬県甘楽郡下仁田町

短く太い白根が特徴的な下仁田ネギ

短く太い白根が特徴的な白ねぎ。非常に辛みが強いため生食には向かないが、加熱すると中のゼラチン質がとろっとした舌触りになって甘みが出ます。さらには柔らかい肉質なので、鍋物、特にすき焼きに最適。二百数十年前から栽培され始め、江戸で評判を呼び、幕府や大名に献上されたことから「殿様ネギ」の異名をもちます。

赤ネギ(圷ネギ) 主な産地:茨城県城里町

軟白部の外皮は鮮やかな赤紫色だが、内部は白いのが特徴 赤ネギ(圷ネギ)

軟白部の外皮は鮮やかな赤紫色だが、内部は白いのが特徴。株が分かれて本数が増えていく分げつ性の根深ネギです。茎の赤い部分に、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれています。辛みが少なく、青葉はとても柔らかく味も◎加熱することで、さらに甘みが増します。赤紫色が美しく、料理に活用したいですね。

深谷ネギ 主な産地:埼玉県深谷市

繊維のきめが細かく、白くて柔らかい白ねぎ 深谷ネギ

繊維のきめが細かく、白くて柔らかい白ねぎです。糖度が10~15度前後と高く、その中でも冬の深谷ネギは特に甘いため、秋冬ネギの代名詞として知られています。深谷ネギは品種名ではなく、深谷市周辺で栽培された根深ネギの総称。

 

千寿ネギ 主な産地:東京都

根深ネギの中から選ばれた最上ランクの長ネギ 千寿ネギ

千住群(根深ネギ)と呼ばれる品種の白ねぎ(長ネギ)の中から、東京都足立区千住河原町「草加山柏青果物市場」のせりで選ばれた最上ランクの長ネギ。年末には、なんと糖度が15度を超え、もっとも甘く美味しくなります。

 

越津ネギ 主な産地:愛知県江南市・一宮市

根深ネギと葉ネギの中間タイプで、辛みが弱いのが特徴 越津ネギ

根深ネギと葉ネギの中間タイプで、辛みが弱いのが特徴。白根・葉ともに歯触りが柔らかく味が良い。葉ネギとしても使用されています。愛知県津島市越津が発祥の地で、江戸時代に将軍に献上されたネギということから、愛知の「伝統野菜」に認定されています。甘みがあるので、生食から鍋物まで使用できます。

岩津ネギ 主な産地:兵庫県朝来市

白ネギと青ネギの中間タイプで白ネギとは違った香り、甘さ、柔らかさが特徴的 岩津ネギ

白ネギと青ネギの中間タイプ。白ネギとは違った香り、甘さ、柔らかさが特徴的です。緑の葉まで美味しく食べられ、降雪の時期になると甘みと柔らかさが一段と増します。九条ネギの種から作られた兵庫県朝来市岩津で選抜された品種。葉の内側にはトロッとした水分がたっぷりと含まれ、格別の柔らかさ・甘みが味わえます。

九条ネギ 主な産地:京都府

京都特産の葉ネギ 九条ネギ

京都特産の葉ネギ。白根の部分が少ないことから、緑の葉まで全て食べます。強い香りと甘みが特徴的で、葉の内部にぬめりがあり口当たりはやわらか。寒さが厳しくなるほどぬめりが強くなり甘みが増します。和食、洋食、中華など幅広く用いられています。

 

観音ネギ 主な産地:広島西区観音

葉ネギと白ネギの中間のタイプで、一般的な葉ネギより白い部分が長くやや太い 観音ネギ

葉ネギと白ネギの中間のタイプで、一般的な葉ネギより白い部分が長くやや太い。葉は柔らかく香味が強いのが特徴です。九条系の葉ネギ用品種で、広島市の在来種。高温成長性があり夏から秋に収穫されます。

 

 


参考文献:
農山漁村文化協会編(2018)『最新農業技術野菜vol.11:特集ネギ・ニラ・ホウレンソウの安定多収技術』㈳農山漁村文化協会.
内田悟(2017)『ニッポンの地方野菜』㈱KADOKAWA.
上毛新聞社編(2014)『下仁田ネギの本』上毛新聞社事業局出版部.
松本美枝子(2015)『ネギの安定栽培:秋冬・夏秋・春・初夏どりから葉ネギ、短葉ネギまで』㈳農山漁村文化協会.
regia・真木文絵・野口久美子編(2016)『新・野菜の便利帳:おいしい編』板木利隆監修,高橋書店.

まとめ

日本では、平安時代から古くから伝われ愛される白ねぎ(長ネギ)。よく食卓に並ぶ食材ではありますが、多種多様なねぎが存在していることがそれを物語っていますよね。

お料理に合わせてさまざま品種を使い分けて、ネギを美味しくいただきましょう♪

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