和菓子やアンパンでお馴染みの食材である小豆。しかし、意識しないと意外と口にする機会はそれほど多くないのではないでしょうか。そんな小豆ですが、じつは栄養価が高くダイエット効果、美容効果が高いのです。
小豆はいつから日本で食べられているのでしょうか。小豆の歴史やお祝いで食べられる理由、小豆の栄養価について確認してみましょう。
小豆の歴史
小豆の起源を調べてみると、東南アジアが原産地ではないかといわれていますが諸説あります。祖先は「ヤブツルアズキ」という品種だと考えられており、日本・朝鮮・中国からヒマラヤまで広い地域に分布していたのだとか。日本が起源という説も……。
日本では古くから利用されており、縄文遺跡から発見されています。文献では「古事記」や「日本書紀」にも記載されています。小豆は昔から食べられていたのですね。
小豆(あずき)の名前の由来は、赤い色の「あ」とすぐに溶ける・柔らかくなる意味の「ずき」から”あずき”と呼ばれるようになったようです。
国内の主要産地は北海道。およそ生産量の8割を占めています。小豆のほとんどは、あんこや菓子の原料となっています。
小豆は邪気払いのチカラがある!?
小豆の赤色は、古来中国で「厄除け」や「生命力」の色として好まれており、邪気を祓うチカラがあると信じられてきました。
小豆を食べて体の中にチカラを入れようとしていたのですね。こうした風習は日本にも伝わり、宮中行事やお祝い事にお赤飯を食べる風習へと引き継がれています。
参考:公益財団法人日本豆類協会
小豆に含まれる7つの栄養素と効能
小豆(乾燥)100gあたり | |
エネルギー | 304kcal |
水分 | 14.2g |
たんぱく質 | 20.8g |
脂質 | 2.0g |
炭水化物 | 59.6g |
灰分 | 3.4g |
小豆には、植物性たんぱく質だけでなく食物繊維やビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養素が豊富に含まれています。そのため生活習慣病の予防や、健康なカラダづくり、美容にも効果が期待されています。
それでは、それぞれの成分と効能について詳しく見てみましょう。
ポリフェノール
抗酸化作用が強く、老化や様々な病気を引き起こす源「活性酸素」を無害化する作用があります。動脈硬化、ガン、生活習慣病の予防に役立ちます。ポリフェノールと聞くと赤ワインを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実は小豆のほうが多くポリフェノールを含んでいます。
サポニン
ブドウ糖が脂質に変わるのを防ぎ、脂質代謝を促進する作用があります。コレステロールや中性脂肪の増加を防ぎ、血液をサラサラにする作用があります。産後の肥立ち、イライラの改善、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞の予防に効果があります。サポニンは煮汁の灰汁に多く含まれるので、茹でる時には灰汁の取りすぎに注意しましょう。
ビタミンB1
糖質を燃やしてエネルギーを作り出すのに必要なビタミン。また、皮膚や粘膜の再生を助けてくれる働きがあります。ビタミンB1が不足すると、炭水化物のエネルギー代謝が悪くなり、疲労感がたまりやすくなることも…。体の回復を早めて、疲れにくい体に整えます。
ビタミンB2
糖質、たんぱく質、脂質の代謝を助け、肌のターンオーバー周期を整えて、皮膚や粘膜、爪、髪などの再生に役立ちます。ビタミンの中でも抜群に美容効果が高いのがビタミンB2です。
鉄分
赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となります。ヘモグロビン内の鉄は全身の細胞に酸素を運ぶ働きをしてくれます。鉄が不足すると、ヘモグロビンも欠乏して、十分に血液が作られません。そうなると、末端の細胞まで酸素が十分に行き渡らず、結果めまいがしたり、疲れやすくなったりするなど貧血状態になります。また、DNAの修復・再生、異物の代謝など細胞内のエネルギー代謝にも働きかけます。
カリウム
カリウムには高血圧予防の効果があります。高血圧の原因として塩分の摂りすぎがあげられますが、細胞内のカリウムと細胞外のナトリウムがバランスを取り合っていれば、血圧は正常です。まず塩分を控えた上で、カリウムをきちんと摂取することで高血圧を防ぐことができます。
食物繊維
食物繊維には、不溶性食物繊維(最後まで噛み切れずに口に残る)、水溶性食物繊維(海藻類や芋、こんにゃくなどに含まれる)の2種類があります。小豆に含まれる食物繊維は不溶性食物繊維。不溶性食物繊維は、水分を吸収して便を柔らかくし、同時に膨らむことでカサ増しします。その結果、腸壁が刺激されて腸の蠕動運動が活発化し、便が押し出されて便通がよくなります。
小豆を食べるメリット
小豆はもともとは作物が育つための”種”です。つまり、成長するために必要な栄養のほとんどがバランスよく含まれています。
とくに注目したいのはポリフェノールと食物繊維の2つです。
- ポリフェノール:ワインの約1.5~2倍
- 食物繊維:ごぼうの約4倍
どちらもトップクラスの含有量です。ポリフェノールはアンチエイジング効果や生活習慣病の予防、ダイエット効果などが期待できるといわれています。他の食品とくらべて非常に多く、大量に摂取できます。
また食物繊維は、現代の日本人に不足しがちな栄養素のひとつ。体に入った食物繊維は消化・吸収されずに大腸まで届くので、便秘の予防をはじめ腸を整える働きがあります。
日本人の平均食物繊維摂取量は、1950年頃には一人あたり一日20gを超えていましたが、ッ穀類・いも類・豆類の摂取量の減少に伴い、減少傾向にあります。最近の報告によれば、平均摂取量は一日あたり14g前後と推定されています。
引用元:厚生労働省 e-ヘルスネット
小豆にはオリゴ糖も含まれており、便の体積を増やす材料になったり、腸内細菌のうちビフィズス菌などの善玉菌が働きやすい良好な環境に近づけてくれます。
不足しがちな食物繊維、魅力的な効果のあるポリフェノールを効率的に無理なく食べるには”小豆”はぴったりの食材です。日常的に食べることによって、ダイエットや美容効果にもつながります。
小豆パワーで毎日元気!おすすめレシピ3選
小豆を手軽に食べられるオススメのレシピを3つ紹介します。どれも簡単に作れるので、ぜひ試してみてくださいね。
小豆ごはん
小豆(乾燥)をさっと水で洗い、かぶるくらいの水と一緒にを鍋に入れて15分ほどゆでます。お米を洗い、小豆・ゆで汁(適量)・水を加えて、いつも通りの水加減に調節して炊飯。あっさりとした味わい。お好みでごま塩をかけても◎
小倉トースト
市販のつぶあんとバターを食パンにのせて焼きます。小豆の甘みとバターの塩気がからまって、とてもおいしい!朝食や小腹が空いたときに。
いとこ煮
かぼちゃと小豆の煮物です。ゆで小豆缶を使えば、時間をかけずに出来上がります。かぼちゃと水を約5分硬めに煮ます。茹で小豆と醤油を加えて、お好みの柔らかさになるまで煮たら完成です。おかずとしてもデザートとしてもオススメ。
まとめ
今回は小豆の栄養成分や効能について解説しました。美容やダイエット、生活習慣病の予防など、小豆には幅広い健康パワーがたくさんあります。ぜひ日々の食生活に取り入れてみてください。