分づき米は栄養豊富で食べやすい
玄米から胚芽やぬかをすべて取り除き、真っ白な白米にすることを精米といいます。分づき米は、お米の胚芽やぬかを一部削ったもの。ちょうど玄米と白米のあいだのお米です。
どれくらい胚芽やぬかを削るかによって、呼び名が変わります。たとえば、玄米からぬかを30%削り取ったら「3分づき」。50%削り取ったら「5分づき」になります。
玄米 | ぬかや胚芽がそのまま残っている。ビタミン・ミネラルなど栄養豊富だが、硬く消化吸収に時間がかかる。 |
3分づき | ぬかを30%削り取る。胚芽は残っている。ほぼ玄米と同じ栄養価の高さ。玄米よりは柔らかい。 |
5分づき | ぬかを50%削り取る。胚芽はほぼ残っている。玄米の半分の栄養がある。 |
7分づき | ぬかを70%削り取る。胚芽はやや削れる。炊き上がりは白米に近い風味・食感。 |
白米 | ぬかと胚芽をほぼすべて削り取る。栄養価は落ちるが、甘みや粘りがあって美味しい。消化吸収されやすい。 |
お米の栄養分には、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルなどが含まれています。ところが、このうちビタミン・ミネラルはぬかや胚芽部分に多く含まれるので、白米になると玄米に比べて栄養価が落ちてしまうのですね。
分づき米は、ぬかの部分をある程度削り取っているため、玄米よりも柔らかく消化されやすいです。栄養を残しつつ、白米と同じような甘みと美味しさを味わえます。
玄米より食べやすく、白米よりも栄養価が高い。いいとこ取りのお米と言えるかもしれませんね。とはいえ、最初は抵抗感を感じる方も多いです。分づき米に挑戦する場合は、白米に1番近い「7分づき」から食べてみるのがおすすめです。
玄米については「玄米が体によいと言われるのはナゼ?白米との違いを深堀りしました」にまとめていますので、良かったらご覧ください。
分づき米のメリットデメリット
分づき米を食べることには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?順番に紹介します。
分づき米のメリット
- 玄米に近い栄養価
- 消化されやすい
- 白米と同じように炊ける
分づき米のメリットは、ビタミン・ミネラルなどの栄養が多く含まれていること。そして、食べやすさと炊きやすさです。
玄米ほど硬くないので扱いやすく、基本的には白米と同じ手順で炊くことができます。手軽に調理できるため、毎日の食事に取り入れやすいです。
健康のために玄米に挑戦してみたけれど、挫折してしまったという方も、分づき米なら続けやすいはずです。
分づき米のデメリット
- 酸化しやすい
- ぬか臭くなりやすい
分づき米のデメリットは、酸化してぬか臭くなりやすいこと。玄米・白米と比べて、削られたぬかの部分が空気に触れて酸化しやすいです。
新鮮な炊きたてのごはんの場合はそこまで気になりません。しかし炊飯器の中に保温して置いていたり精米から日が経っていると、ぬか臭がより強く出て風味が落ちてしまうことも……。
分づき米を美味しく食べるには、「少量ずつ購入する」「できるだけ早く食べきる」を意識するとよいでしょう。また分づき米を保管する際は、冷蔵庫へ入れておくと酸化を抑えることができます。
7分づきのお米の炊き方
最後に白米と食感などが近い、7分づきのお米の炊き方を紹介します。炊くときの手順は、白米とほとんど同じです。
気をつけるポイントは、2つです。
1つ目は、最初に出てくる研ぎ汁はすぐに捨てること。研ぎ汁をお米が吸ってしまうと、炊き上がりがぬか臭くなってしまうので注意してください。
2つ目は、浸水時間を長めにすることです。白米よりもぬか・胚芽部分が残っており、水がお米の中心までいきわたるまで時間がかかるので、その分浸水時間を長めにしましょう。
研ぎ方
ボウルに正確に量ったお米と水を入れて、お米が傷つかないようにやさしく混ぜます。最初に出てくる濁った研ぎ汁には、汚れやぬかなどが入っていますので、すぐに捨ててください。
あとは白米と同じように、水を切った状態で指を立てて20回ほどかき混ぜるようにして研ぎます。たっぷりの水を注いで、軽くかき混ぜてすすぎます。これを2~3かい繰り返します。
水加減
水加減は白米と同じです。米1合に対して、水は200mlが目安になります。炊き上がりが硬く感じる場合は、少し多めに調整してください。
浸水時間
浸水時間は、白米より長めにとります。7分づきの浸水時間は、2時間ほどとるとよいでしょう。ふっくらとした炊き上がりになります。
5分づきなら3時間、3分づきなら5時間ほど、さらにしっかりと浸水時間をとります。
あとは炊飯器でいつもの通りに炊いたらOKです。炊飯器で長い時間保温していると、ぬか臭くなる可能性があります。すぐに食べきれない場合は、ラップにくるんで冷凍保存がおすすめです。
ごはんの冷凍方法は「美味しく食べられるご飯の保存〜冷凍・解凍方法〜」に詳しくまとめていますので、参考に読んでみてください。